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三原 守弘; 吉川 英樹; 油井 三和
PNC TN8410 94-241, 53 Pages, 1994/07
平成3年7月に原子力委員会は、「TRU核種を含む放射性廃棄物の処理処分について」を公表し、その中でTRU廃棄物の処分を1990年代後半までに見通しが得られるよう検討を行う必要があることを述べている。以上の状況を踏まえ、本報告書では、TRU廃棄物の特性を考慮し、暫定的に設定した処分システムにて予備的な性能評価試算を行い、今後の研究課題の摘出及びそれらの優先順位付けを行った。主な結果は、以下のとおりである。(1)C-14やI-129等の地下水に対して可溶性かつ非吸着性の核種が人工バリアからの放出率を支配する重要な核種となるため、これらの核種の遅延機構の研究を行う必要がある。(2)硝酸塩及び有機物の存在により核種の溶解度が上がることが示唆された。よって硝酸塩及び有機物の存在下における信頼性の高い熱力学データの取得、拡散係数及び分配係数の取得を行う必要がある。(3)可溶性核種の人工バリアからの放出率については、固化体中のインベントリに依存するためインベントリを把握する必要がある。また、本試算ではデータ不足等により考慮しなかったが重要と考えられる研究としては人工バリア材の長期安定性、ガスの発生・移行、微生物影響調査研究等が挙げられる。今後、これらの研究を進めながら処分システムの構築を行う必要がある。